M&Aの雰囲気

 欧米の会社の買収についてM&Aの実務であるデューデリジェンスという作業を経験することになった。これは買収先の会社の人と話を行い、我々にとってその会社の買収にメリットがあるのかないのかの情報を得る作業だった。この作業は私にとって実は2回目で、2006年頃ある欧州の会社を買収する検討をしたことがあった。しかしその時は買収してもしなくても良いということで、半ば遊び半分?というと語弊があるがあまり気合が入らないM&Aだった。しかし今回はトップも本気であり、特に現場をよく知っている者の代表者として私の立場は重要なものであると認識をしていた。場所はロンドンのピカデリーという中心街のオフィスで行われることになったが、私はマレーシアから飛行機でロンドンヒースロー空港まで行き、そこから地下鉄~タクシーとつないでほぼ1日をかけて会場へ向かった。まずは翌日の打合せを前にして、双方のトップ同士の会食が行われた。先方は社長、技術担当役員、営業担当役員が参加し、こちらは担当常務、M&A担当役員そして私であった。それに加えてM&Aを通して多額の手数料を狙う双方の投資会社の人間が10名程度集まった。買収先は我々にとって競合会社であり、ある意味で競合のトップと話をするような緊張感があった。しかしあくまでお客さんはこちらなので堂々と対峙すれば良いと思った。その晩は他愛もない話をしながら、どういうレベルのトップなのかを観察した。そして翌日は会社の事業説明が半日あったが、ほとんど私が中心となって聞きたいことを質問した。明日から我々の会社になるかもしれない会社のメンバーに我々の本気度を見せた。

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