私一人が休日出勤ではなかった
外国に駐在している時、結構休日出勤をしていた。私が入社した頃、日本では休日出勤は当たり前で、土日の社員食堂には定時勤務の人を多く見かけた。また管理職や目上の人が出勤しているので、私のような若手もつられて休日出勤をしていたところがあった。またそうやって休日に会社に出てきて現場で何かをしている人はがんばっているという評価を受けているという間違った自負心を持っていた。(一方では残業を減らせと言われていたのに・・)日本の会社は長時間重労働で成長してきたという話を聞くが、これは当時の事を思うと半分当たっていたと思う。しかしこういう風潮も徐々に変わってきた。1980年代から2020年代の40年間で、「長く働く」より「効率的に時間内で達成できるように働く」ことが評価の基準として見られるようになり、また個々人の生活においては「仕事ばかり」から「家族と過ごす」ことの重要性を大事にする時代となった。一方こうした考えは欧米では日本より10~20年早く浸透していた。早々と週休2日制が導入され、統計上は年間総労働時間は日本より200~300時間短い状況となっていた。そういう中で米国のある工場で日曜出勤する現場課長に出会った。彼はブルーカラーからホワイトカラーに上がった人で工場メンバーから尊敬される人物であった。彼に何故日曜出勤するのか聞いてみると「俺は昔から現場でやってきたから日曜日も現場に来る。また長期出張でこの工場に来ているので、奥さんのご機嫌をとる必要もない」とのことだった。私も似たような理由で日曜出勤をしていたので、その夕方は彼と街の酒場へビールを飲みに行った。
