メーカーの背広組と制服組
自衛隊の組織の中で、背広組とか制服組とかいった職種の区分があるそうだ。背広組とは「現場でなく机の上で色々作戦を練る人」で制服組とは「陸上部隊や航空部隊を使って、国のために実際のオペレーションをする人」だと考えればよいらしい。当然ながら双方の部隊は、お互いに異なる使命とプライドを持って仕事をしているため、よく意見がぶつかるようだ。一方自衛隊でなくとも一般の企業でも似たような関係が存在する。私は物づくりの会社にいたが、大きく分けて会社は本社部門と事業部門に分かれる。本社部門はそれぞれの事業部に共通するような人事、経理、総務、技術等々の人が集まっており、各事業部門の「智恵袋」であったり、「お目付け役」であったりする。一方事業部門は実際に物づくりを行う工場を管轄しており、また生産した商品は事業部門に属する営業部隊が販売することとなる。どちらが上ということはないが、本社部門の人にとって、工場の人は昔の経験とかしがらみで仕事をしている場合が多く、もう少し本社の意見を取り入れて論理的にあるいは効率的に仕事をして欲しいと思っている。一方工場の人は「物づくりを行い、それをお客さんに売って会社に利益をもたらすこと」にプライドを持ち、現場で物づくりや販売をしたことのない本社部門の人に対してはあまり良い感情を持っていない。ただ社長や会長をはじめとする上級役員は本社に机を置いており、本社の有識者から種々の意見を聞いた上で、大所高所から事業部門に対して方向性を提示するので、工場の人は「神の声」である本社部門の意見を尊重せざるを得ない。ある意味で2大政党が切磋琢磨するような感じか?
