朝礼ネタ「春を迎える」

 5年間日本の工場長の仕事をしたが、毎月の始業式で工場長は全事業所メンバーに対して訓辞を行うことになっている。これがなかなか面倒で毎回ネタを考えるのに1週間ぐらい前から悪戦苦闘していた。しかしよく考えると毎年話をするので、いわゆる季節ネタというのがあっても良いかと思うようになった。こういうネタを持っていると〇〇月には季節ネタXXをやるというプログラムができ上がり、その月についてはそのネタがあれば新たにネタ探しで苦しむことがなくなる。その中で1~2月頃に朝礼でよくしゃべったネタで「春を迎える」というネタがあった。これは魚を題材としたネタで、私が釣りで経験したことを元にしている。私はブラックバス釣りが好きだが、ブラックバスは通常3~5月ぐらいに産卵を迎える。ところが実際の動きとしては、メスとオスのブラックバスは1~2月頃の寒い水中で来るべき春の産卵を意識して、外敵から身を守りより安全に暮らせる場所を探す。そしてもうすぐ産卵という頃にはオスのブラックバスはメスの周辺の護衛にまわり、メスも外敵に対して敏感になる。したがって春はルアー(疑似餌)をメスの鼻先に投げると太ったメスのブラックバスは外敵が来たと勘違いして簡単にルアーに食いつく。そのぐらい魚にとって子孫繁栄のために産卵は最大のビッグイベントとなる。私たちの会社も4月から翌年の3月までが会社の年度となっていた。そして新たな年度には何か新たな目標を立てるというのが通例であった。4月から新たな取り組みをしようと思えば、その数ヶ月前から作戦を立てて準備しないといけない、これは魚も人間も同じだよという意味でこうした話をした。はたして聞いていた何人ぐらいの人の心に響いたかは定かではないが・・。

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