昔のメンバーとの再会1

 アメリカの会社の買収が決まって、日本から買収前の現地の下見に出かけた。さすがにかつてBig3と呼ばれただけのことはあり、工場は広大でわくわくしながら工場を回った。工場見学を終えて事務所に戻ってから工場長から色々な話を聞かせてもらった。工場設立は1960年代とのことで、日本の工場よりもさらに10年近く前に設立されたものだった。ただ米国的な前近代的なものづくりの考え方も残しており、やっていけば色々改善ができそうな気がした。そんな中で工場長の秘書から「Rainさん、工場であなたを見かけたという方がおられますよ。なんでも昔日本へ行った時にあなたと一緒に仕事をしたとおっしゃっておられました」との話を受けた。名前はR何某とのこと。その名前に私は覚えがあった。彼は1990年代に一時的に技術援助契約を結んでいたM社から派遣された技術者で、日本にある技術を導入するにあたって技術指導に来た。私とほぼ同年代で色々気が合ったのを思い出した。また仕事が終わってから少し時間があったので、近所の湖でブラックバス釣りをしにいったが、さすが本場でさんざんブラックバス釣りをやってきた人だけあって、圧倒的な差で私は釣果で負けてしまった。それ以来時々彼から来るメールでは彼は「No.1 fisherman」で私は「No.2 fisherman」という名前でよくやり取りをしたものだった。その後M社とは縁が切れ、いつしか彼とは交流がなくなった。ところが不思議なもので20年以上経って、たまたま米国工場を歩いている日本人を私と認識してくれたのはすごいことだった。10分程度の面会だったが、一瞬だけ昔の楽しい思い出が蘇った。

No.1 fisherman のRとの再会

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