近藤房之助とちびまる子ちゃん

 私の中で近藤房之助と言えば、日本の初期ブルースの黄金期に活躍した幻のブルースバンド“Breakdown”のリードボーカリストである。日本のブルースシンガーはどちらかというとアンダーグラウンドで活動しており地上では日の目を見ないのが一般的だ。ところがこの近藤房之助が急に地上へ出てきて、超ヒットソングを歌ったのには驚いた。それは「踊るポンポコリン」で知られる漫画ちびまる子ちゃんのテーマソングだった。この曲はちびまる子ちゃんの作者さくらももこさん自身の作曲であり、発売以来164万枚の大ヒットとなった。この歌詞が大変ユニークで何を言っているのかよくわからないところがある。どうやらさくらももこは子供の頃から植木等のスーダラ節に大変憧れ、植木等みたいになりたいとかスーダラ節の歌詞を書いた青島幸男みたいになりたいようで、その願いが10数年後自分の漫画がテレビで放映される際に、主題歌の歌詞を自分で書くことで達成されたようだ。またその際作曲は織田達郎という当時のトレンディー曲を書く作曲家を使い、演奏&歌は無茶苦茶な歌詞に合った「やりたい放題」の歌手が選ばれたということである。リードボーカルの女性坪倉唯子さんは種々の歌のバックを務めるコーラスクイーンであり、男性バックコーラスとして私の青春のブルースマン近藤房之助が入っている。本来表舞台に出てきてはいけないブルースマンがどうしてこんな曲に参加したかが経緯を調べてわかったような気がした。しかしバンド名をBBクイーンズ(米国のブルースの大御所BBキングをもじっている?)にしたあたり、まだブルースマンのこだわりがある。

メジャーデビューしたブルースマン近藤房之助(右から2人目)

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