5月病

 学生時代に5月病と言う言葉が流行った。これは入学してからだんだん緊張感が薄れ、また気温も上がって気持ちも心もだらだらしてやる気がなくなってくるのを病気に例えて5月病と言った。しかしこれは何も学生だけではないような気がする。会社にも年度というものがあって、最近は1月から12月をビジネス年度としている会社も増えてきたが、昔は日本の多くの会社では4月から3月をビジネス年度としていた。したがって学生が5月頃に気持ちが緩んでだらだらするならば、サラリーマンも同様にだらだらするような気になっても何らおかしくはない。4月に新しい年度を迎えて、各組織は気持ちも新たに新しい取り組みを始めるものだ。年度末に組織のトップから新たな取り組みに対する訓辞が行われ、実際の動きが新年度から始まる。そして4月は新たな取り組みに対する緊張で各人はきびきびと動く。しかしそれも1ヶ月ぐらい経つと慣れてきて緊張感が薄れ始める。これがいわゆる5月病と呼ばれる。しかしこの状態はその後夏に向かうにつれ変化する。5月の連休が明け、少しすると梅雨が始まり毎日雨で気持ちが憂鬱になる。そして雨が終わって欲しいと思っていると、急に梅雨明け宣言が行われ、次は猛烈に暑い夏がやってくる。こうなると気持ちがだらだらするどころかむしろ毎日を生きていくためにどうするのかということを一番に考えないといけない過酷な季節に突入する。毎年のことで私はこの季節変化が5月病を忘れさせてくれるのを知ってはいたが、5月になるとびしっと気を引き締めるという意味で朝礼では5月病のことを皆にしゃべっていた。

5月病

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