ベースは抵抗がなかった

 学生時代に社会人のバンドで演奏をしていた。このバンドは元々労働組合出身の人が数人いて、組合が主催するダンスパーティーのバックバンドとして種々雑多な音楽を演奏した。歌謡曲のバックバンドもやったし、ゴーゴーのバックバンドでロックンロールを演奏したし、時にはチークダンスのバックで甘いスローバラードを演奏した。したがってこの年になってもあらゆる音楽に抵抗がないのは、この時期の経験が役に立っているからかもしれない。曲も2ビートの演歌やカントリー、4ビートのジャズ、8ビートのロック、そして出てきたばかりの16ビートのフュージョンやサンバなど手当たり次第に演奏した。そうした中で毎週バンドの練習に行ったが、なかなかメンバーが時間の都合で全員集まらないと、誰かが違う楽器を演奏することになった。私はドラムスやキーボードは演奏できなかったので、ギター以外は主にベースを担当した。ベースはギターの下4弦と同じチューニングになっていたので、ギターの下4弦を弾くつもりで演奏するとそれなりにもっともらしい演奏ができることがわかった。ギターの和音と同様に、ベースはAとFとかいったコードの頭のアルファベットが重要で、最悪このアルファベットを最初に弾けば大体合う。そしてその後につく7thとかマイナーとかいったものを意識して、そういう音を加えていくことで、およそ曲に彩りをつけることができることを肌感覚で学ぶようになった。結果的に私は町内会のジャズバンドではベースを演奏することになったが、こういう経緯を持っていたのでほぼ抵抗なく演奏ができた。

何となく始めたベースも様になった

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