未来のT社の社長さんと若い頃意気投合した

 私が入社して2年ほどした時、研修と称して米国で行われる業界の会議への参加と客先の訪問をさせてもらうツアーに参加した。この時に色々な業界関係者と知り合うことができた。その中で酒席でも素面の席でも非常に気の合う人に出会った。話は洒脱だし、またあまり偉そうにしゃべる人ではないが、業界の種々の事に対して深い理解と知識を持っておられるような感じだった。その人の勤めておられる会社は、直接的には私の会社の重要客先にあたる会社だった。しかしそういう納入会社と客先という上下関係を感じさせないようなその人の対応に私はすっかりその人のファン?になってしまった。そして米国ツアーが終わってしばらくしてから、何かの出張のついでにその人の東京のオフィスを訪ねた。往々にして旅では親しかった人が、離れてから会うと全く態度が異なるというのはよくある話だが、久しぶりに会ったその人は、以前と全く変わらずオープンに私を受け入れてくれた。以前その会社の社長さんが我々の工場を見学していただいたのでその旨を伝えると、「ああ隣にオフィスがあるけど会いますか?」と言われてびっくりした。その時はとても格が違うと遠慮した。そうした頃から随分経って驚くことが起こった。私が課長ぐらいであった時たまたまT社の人事異動を日経新聞で見たら、T社の社長人事であの時にお会いした人の名前があった。こんな事ならあの時にもっと親交を継続しておくべきだったと思った。そしてあらためて、社長になるような優秀な人は若い頃からそういう器を持っておられるのだと思った。そして同時に私もそれなりに人を見る目があるものだと思った。

若い頃にお会いしたOさんが大企業T社の社長になられた

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