Datoの家で練習
マレーシアに駐在している時に、ローカルメンバーとバンドを組んでいたが、世界中どこでも困ったのは大音響で練習ができる場所だった。勿論お金を払って街のスタジオを借りれば申し分ない状況で練習が可能だが、その使用フィーは決してお安くない。そんな事を思っていたら、バンドメンバーが良い場所を見つけてきたと言う。バンドメンバーの一人がいわゆるDatoと呼ばれる特権階級の人と友達で、このDatoが防音の聞いた自分の家の地下ステージを使っても良いと言っているということだった。このDatoというのは、マレーシア国に事業面や政治面その他で特別に貢献した人だけがもらえる称号で、一般的にはお金持ちの人が多い。その人の家もすごい家だった。まずガレージはすべて自動扉で開くようになっていて、扉が開くと広い庭に高級車が何台も止まっていた。そして家へ上がると、大理石でできた通路から地下室に下りる階段があった。そして地下室には20畳?ぐらいのステージがあり、アンプ類が5~6台、マイクスタンドが3台、そして音の調整ができるミキサー類も整備された本格的なスタジオとなっていた。この居心地の良いスタジオのおかげで私は十分に練習を行うことができ、マレーシア駐在2年目にローカルメンバーとバンドを組み出演することもできた。何故かこの家のオーナーはほとんど留守で会うことはなかったが、一度だけお会いすることができ感謝の意を表することができた。結局マレーシア滞在中にDatoという立場の人の家へ入ったのはこれだけだった。
