就職試験での失敗

 就職を前に希望する会社のトップの方とお会いしほぼ気持ちが固まった頃に、教授から「その会社の人がもう一度君に会いたいので行くように」という打診を受けた。それで言われた時間に行くと何やらものものしい状況で多くの人が集まっていた。しばらくすると、係員のような方が来て「これから入社試験を始めます」と言った。正直な所、今日は入社を希望する会社の誰かと面談するだけと聞かされていたので、筆記用具すら持参してこなかった。そこで仕方なく「すみません。筆記用具を貸していただけますでしょうか?」とお願いした。回りの人間からすれば、こいつは入社試験の日に筆記用具も持ってこなかったのかとあきれられた事と思う。(ただ幸いにスーツとネクタイをしてきたのだけは救われたが・・)さらに試験中に記入間違いがあり消しゴムがない事に気がつき、隣の人に借りることになった。あとで同時期に入社した人に聞くと、何とふざけた奴が試験を受けに来たものだと思ったそうだ。試験そのものは比較的簡単で、一応理科系であった私にとっては一般的な教養の知識の範囲で解ける問題ばかりでほぼ満点であったのではと思う。そしてその後は会社の社長さんとの面談があったが、以前に聞いていた法力のあるという社長さんを間近で見ることになった。確かにこの人なら法力を持っていそうな感じがした。そしてそれから1週間ぐらいして学校の教授宛に連絡が入り、無事合格が決まった。さらには入社式で新入社員の総代をしなさいという畏れ多い連絡もあった。昔の就職はある程度教授と会社とのコネで決まっていたのかもしれない。これが私の就職に関する大いなる失敗談だった。

筆記用具を持たずに就職試験に行った

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA