空港で英語が普通に聞こえるようになる
米国では色々な意味で飛行機を使っての移動が多かった。初めの頃はまるで迷路のように見えた馴染みの空港も、何度も何度も使ううちにほとんど自分の家の庭のようになって、この角を曲がればどのバンバーガー屋があるとか、この通路をあと50mも歩けばトイレがあるとかがわかるようになってきた。また空港のラウンジは仕事の準備と軽い朝食を済ませるのに大変便利だったし、また帰りの便に乗るまでの一時にビールやワインを飲んで一服する憩いの一時にもなった。この頃にはラウンジでちょっとしたカクテルをバーテンダーに作ってもらうとチップを渡してお礼をする余裕もでてきた。米国にいた間の1年半結局英語の理解力はそれほど進歩しなかったような気がするが、それでもほとんどの米国人が空港で普通にやる事ができるようになっていった。その頃からだと思うが、空港での色々な連絡がスムーズに耳に入ってくるようになった。空港では日常茶飯事でどの便がキャンセルになったであるとか、搭乗ゲートが変更されたとかいった予定外の事件が起こる。そしてその情報は空港のアナウンスを通じて我々に伝えられるが、残念ながら緊張して空港を歩いていた頃は、他の事に注意を払っていてアナウンスを聞き洩らしてしまうことが多かった。そして搭乗口まで行ってその異変に気がつき、それから慌てふためいて対応せざるを得なかった。ところが空港で起こることにゆとりを持って聞き取ることができるようになってくると、そうしたアナウンスは自然と耳に入ってくるようになった。時には私あてのアナウンスさえも聞きとることができるようになった。

空港内のアナウンスが自然に耳に入るようになった