昔と比べると人種差別の少ない米国だが
私が1980~1990年代に旅行した頃、米国にはまだまだ人種差別が残っていた。歴史的に見ると、北部南部間で独立戦争が行われたのは1770~1780年代の頃だが、それから200年経った1970年代の後半に私は初めて米国を観光した。学生でお金もなかったので、バスでキャンプしながら西海岸から東海岸まで行くツアーに参加した。今から思うとなかなか思い切った判断をしたと思う。米国について初日はロスアンゼルスのホテルに泊まることになっていたが、ホテルバスに乗ったらチップを払うのに数10セントしかなくドライバーから小さい声でチっと舌打ちされた。田舎のキャンプ場で朝中年の白人の男に会ったので、「グッドモーニング」と言ったら彼は「オウ、ジャップ」と言ってきたのには驚いた。また1990年代に会社から出張した頃、スーツ姿で入るのと普段着で入るのとでレストランでの席の対応が異なっていた。米国の人種差別で大きな問題となったキング牧師暗殺事件は1968年である。キング牧師事件からまだ10~20年しか経っていない頃の米国は白人以外の人種にとっては住みにくい国だったと思う。その後私は2010年代の後半に欧州から米国に移り住んだ。見かけ上欧米の人種差別はないように感じた。オランダではインドネシアからの移民が多く働いていた。米国でも黒人のマネージャーががんばっていた。しかし街のアジア系レストランはテイクアウト系のレストランが多く欧州米国ともにランクは低いと感じた。会社の上級管理職はほとんどが白人系の人で、有色人種の上級管理職は特別な知識を生かす業務のみに限られていた。ダイバーシティーとは言うが・・・

欧米人の心の奥底には人種差別意識が?