中国メーカーの台頭と欧米メーカーの焦り
2000年ぐらいを境に中国の工業が急激に大きくなり、それを目の当たりにした。それまでの中国は貧しくほとんどの人が人民服を着て質素に暮らしているという印象しかなかった。ところが中国政府が全世界に向けて「世界の工場」として安い土地と人を提供することを宣言すると、瞬く間に世界中の国が中国に工場を持つようになった。また中国は外国からの情報を巧みに蓄積し、最後はその技術を活用して自前での生産もするようになった。私の担当していた工業製品も例にもれず同じような変化が起こった。安い人件費や政府のインセンティブを持って生産された中国製品は先進国で生産される製品の1/2から1/3ぐらいの価格で市場に提供された。初めはそれほど品質は良くなかったが、それでもその安さにつられて需要はどんどん増加していき、そのうち品質も良くなっていくに従いついには世界の市場を席捲するまでになっていった。私の担当する製品の場合、2000年までは欧米の3社が世界のBig3でそれに日本を含めた先進国が追随する状況だったが、2010年には世界のBig5の中に中国企業が3社も入る状況となってしまった。その頃にこうした状況に焦りを感じた欧米のNo.1とNo.2のメーカーが合併をするという事態が起こった。しかしながらこの合併は1+1=2にならず、結果として1.5ぐらいの規模拡大しかならずさらに中国企業の拡大を許すこととなった。そしてその事件から10年後私の勤める会社はその当時欧米のNo.3の会社を買収し、最終的にグローバルNo.3まで世界シェアーを伸ばすこととなった。この中国の台頭と欧米の動きが私の会社にとってフォローの風を吹かせた。

中国に対抗するには欧米同士の合併だ!