青春時代のファッション5、とっくりセーター

 さらに私の青春時代を飾ったファッションを挙げれば、とっくりセーターであろうか?今の時代の人にはとっくりセーターと言うとイメージが湧きにくいかもしれないが、英語で言うならタートルネックのセーターの方がわかり易いだろうか。ちょうど亀が甲羅から首を出すように首に接触する部分が少し締め付けるような感じでデザインされたセーターである。このセーターは特に長髪にした時に、首元に髪が直接当たらずセーターで保護されており、外に出ている長髪がバランスよくフィットするようになるという点で多数の若者が着用していた。またこのセーターは上着として着用するブレザージャケットや当時流行ったハンフリー・ボガードでおなじみのトレンチコートにもよく合った。私自身ほぼとっくりセーター+コート+既述のベルボトムジーンズ+革靴で京都の長くて寒い冬を乗り切ることができた。また京都を闊歩するかっこいい若者の一人として存在感を示すことができた?ように思う。高校生の頃、大人に混じってライブハウスで煙草を吸っていても大人に見られるためのそれなりの準備だった。このセーターはあまりにもファッション的に完成されていたので、冬を待たずしてまた冬が終わってまだやや涼しいうちはずっと着ていた。結果としてとっくりセーターは10月の終わり頃から4月の始めぐらいまで半年ぐらい着られる優れもののファッションとして愛用した。しかしながら昨今の若者のファッションの中にとっくりセーターというものはほとんど見られず、むしろ冬の寒さから首元を隠すのはマフラーやフード付きのコートの役割となってしまったようだ。

秋から春まで着られたとっくりセーター

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