商売で行った国2:ドイツ
我々の製品がグローバル化するにしたがい、日本やマレーシアから欧米へ輸出するだけという商売は現地の会社に受け入れられなくなってきた。そのため2011年にドイツのデュッセルドルフ市にまず営業拠点が設立された。さらにその後2016年には欧州のオランダとイギリスの工場を買収し現地生産の拠点を確保してきた。実際欧州に来てみて、ドイツは商売上の色々な意味での中心的な国だと感じた。昔からデュッセルドルフでは種々の展示会が開催されていた。特に最新の生産機械や部材の動向や客先の新製品の動向を知るために何度も展示会に参加したが、その際に営業拠点も訪れていた。時には我々の生産設備に使うコア部材を生産する会社にも寄ったが、この会社の親会社は我々の競合会社であることをこの訪問ではじめて知った。ここではトップの人に会うことができ、日本の会社とのアライアンス(協業)の可能性についても議論する機会を得ることができた。またドイツに営業拠点があり、オランダとイギリスに生産拠点ができるようになり、それぞれの役割を再定義する必要もでてきたが、この3拠点のメンバーは足繁く会議を繰り返し、良い関係を築くことができた。また商売としてはドイツには世界を代表するような大手の化学会社があり、ある製品で我々も強くつながっていたが、現地生産、現地販売の体制をさらにアピールすることになった。また2016年に買収した会社は以前からドイツの地場産業と密接なつながりを持っていたが、この客先に私も訪れるチャンスを得ることができた。こうして新しい客先を通じて欧州のビジネスが広がっていくのを感じるのが楽しかった。

デュッセルドルフ市内を流れるライン川