ウッディー・ガスリー「ホーボーの子守唄」
アメリカのフォークソングの走りと言えば何人かの有名なシンガーを挙げられるが、中でもカントリー&ウエスタン好きな人からもフォークソング好きな人からも愛されてきたフォークシンガーと言えばウッディー・ガスリーだろうと思う。彼の曲は広いアメリカを放浪しながら色々な人と巡り合い、色々な経験をする中で作られた曲が多く、誰でも好きになるような曲が多かった。この中で私が最も好きだった曲に「ホーボーの子守唄」というのがある。歌詞の内容は「目をとじてお休みなさいホーボーさん、レールを通る列車のスチールの音が子守唄のように聞こえるでしょう?着るものはボロボロになってしまったけれど、あなたの心はとても美しい。明日もきっと素晴らしい一日がまっているよ。故郷を離れ、町から町をさまようと、時には愛しい家族と暮らす幸せな生活を思い出すよね」といったものだ。列車は独特の郷愁を思い起こさせるようだ。この鉄道のレールと列車のレールがこすれて発する独特の金属音を「子守唄」というように感じたウッディーの感性は子供心にひどく感動したのを覚えている。そう言えばブルースマンは列車の汽笛の音をブルースハープで表せないと一流じゃないと言われていたっけ。高校生の時に聞いたレコードではっきりとは覚えていないが、亡くなったウッディー・ガスリーの追悼イベントというものが行われ、コンサートの最後に彼の息子のアロー・ガスリーが一番の歌詞を歌い、その後に当時の有名な歌手が順番に歌い次ぐのが素晴らしかった。

ウッディーガスリーの歌は反戦への自由の叫びのようだった。