プラウド・メアリー
中学生の頃で、ティナ・ターナーのソウルフルな歌声をこの曲で初めて聞いた。そして原曲がCCR(クリデンス・クリアウォーター・リバイバル)というバンドリーダーのジョン・フォガティ―が作曲したものであることを知った。メアリーとはどこかの女性を示しているように見えるが、実際はミシシッピ川を走行する汽船「メアリー・エリザベス号」の名前から取ったようである。歌詞は「ある街で会社を辞めた、寝る間も惜しんで人のためにくたくたになるまで働いた、そして物事はどうあるべきかを考えた。大きな車輪は回り続ける。プラウド・メアリーは蒸気を上げながら川を進んでいく。メンフィスでは皿洗い、ニューオリンズではガスの汲み出し、街の良い面などみたことなかった、プラウド・メアリーに乗るまではね。メアリー号に乗ってあの川を下ったらきっと良い人に会い、幸せになるさ」といったものだった。要は南部の貧しい生活から抜け出して、メアリー号に乗ってミシシッピ川を下って北部へ行けば幸せになるという歌のような気がした。私はブルースを通じてアメリカの文化史の一端を学んだが、このミシシッピ川をニューオリンズからシカゴまで北上して成功するというイメージはある意味で当時の人々のアメリカンドリームだったかもしれない。ブルースマンの場合も、貧しい南部から抜け出して当時の発展中の大都市であるシカゴへ出て一花咲かせるんだという歌詞をよく聞いた。ところで最近ティナ・ターナーが亡くなった。永遠にセクシーで若いと思っていたティナもついに亡くなったが、今も彼女のRollin’ Rollin’ Rollin’ on the riverという歌声が聞こえるようだ。

初めてR&Bを聞いて虜になった「プラウドメアリー」