NGさん「反省百話」
NGさんとは2000年代前半にお会いした。元々他工場で仕事をされてきた方で、他工場では生産設備の保守メンテを中心に安定して工場が運営できるようにすることに尽力された方で、最終的には取締役として私のいた工場のトップに就かれた。工場が安定生産をするためには働く者皆が安全第一で働くようにしないといけないという信念から、「安全第一」「現場をきれいにする」「整然とした現場をつくる」などいわゆる4Sを推進してこられた方であった。当時私のいた工場は主力事業がようやく利益が出るようになり活気は出てきたものの、まだまだ優良工場とは言えず技術的にも精神的にも他から学ぶべき所が多々あった。NGさんはとにかく毎日現場をよく回り色々な人と話をされていた。かつて「安全の鬼」と言われていたと聞いていたので最初は話しかけるのを躊躇していたが、NGさんは意外としゃべり易く、色々な話を聞いてもらい教えてもらった。私のいた工場に来られた時にはすでに60才を越えておられ会社を離れるラスト4年ほどだったようだ。そのためか他工場で見せた気迫に満ちた鬼のような顔は見せずに皆の話をにこにこしながら聞いておられたのを思い出す。そしていよいよ会社を離れる2008年になって急に手書きで100頁にも及ぶ文書を示された。私と違い字もお上手で読みやすい文章だった。内容は自分が苦労した1990年代からの仕事の中に感じた思いを「反省百話」という形で後輩に残された。その話は後日部下によってワープロで転記されファイルとして残っている。こうやって私がブログを書き残すのもNGさんを真似ているのかも。

努力と根性の人NGさんの残した「反省百話」