マシンが動かんと生産できん事を知らん奴がおる

 昔のトップは色々なたとえ話や皮肉を使って皆を叱咤激励する人が多かった。何か一休さんのとんち話みたいなことを言って皆に考えさせるようだった。若かった私たちにとってなるほどと考えさせられることが多々あった。表題の言葉を残したのはKさんという人で、一時期はK語録というのが流行るほどの人だった。既述のNGさんは中学卒業後に会社に入り丁稚奉公?をしながら最終的に取締役まで行かれた。Kさんも高卒であったが多くの人に影響を与え、最終的には専務取締役まで上り詰められた苦労人だった。K語録の中で最も有名なものが表題にある「マシンが動かんかったら生産ができん事を知らん奴が多すぎる」というものであった。この言葉はなかなか含蓄がある。通常マシンを止めれば生産ができないのは誰もがよく理解している。したがって通常は種々の努力をしてマシンを止まらないようにしている。ところがある時に生産が不調になって歩留まりが大きく落ち込むような事態を迎えることがある。そうすると部員は集まって一生懸命考えて、原材料の一部を変えてみようとか、このマシンを少し改良することで良くなるのではとか色々アクションを考えるようになる。そして例えばきっと良い生産ができると信じてマシンの大改造をするためにマシンを止めて改造に入る。結果止めている間生産量は0になる。良い事をしようと思って悪い事をすることになる。人間が往々にして矛盾した行動を起こすことを皮肉って言われた言葉だった。同様な皮肉に「知っているという奴は大勢いるが、ほんまに知っているという奴はほとんどいない」というのもあった。おっしゃる通り・・・

マシン改良を言い訳にしてマシンを止める奴

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