商売で行った国7:中国

 サラリーマン時代量と世界シェア―を追いかけていた。世界一になるためには強力な利害関係者との繋がりを必要とする。我々は原材料をベンダーから購入して、それを社内の最高技術で安く作り、そしてグローバルクラスのユーザーに大量に納める。つまり強いベンダー、強い社員そして強い客先が世界一になるための重要利害関係者だった。ある原材料の大半は中国のあるメーカーから納入されていたが、万一この中国メーカーからの供給がなくなれば我々のビジネスが立ち行かなくなる。そこでこの中国メーカーとより強い親交を作る作戦を考えた。マレーシア工場にはマンダリン語をあやつる中華系メンバーが多くいた。そこでこのメンバーで特別チームを作り、マレーシアに先方の社長らを招待した。この作戦はうまく機能し、先方も我々の会社を欧米メーカーとは違う「親中メーカー」?と思わせた。そしてその関係で私は2回中国を訪問することになった。1回目は福州というその会社の本社部門もある街を訪れた。そこで結構近代的な工場での品質管理を見学できた。ランチの際は先方社長自らが立ててくれた高級茶をいただいた。また夜は福州市の高級料理店で本場中国料理をご馳走になった。2回目はタイミングが悪いことに「中国対日戦勝70周年記念日」に中国の内蒙古自治区へ行った。この日はどのテレビも戦争映画で日本人の残虐さを示した映画ばかりをやっていて、部屋の外へ出たら殺されるのではないかと心配になったぐらいだった。しかし夕食は内蒙古名物のジンギスカン料理とアルコール度60°の白酒で歓待された。残念ながらマレーシア帰国後1週間ぐらいは下痢が止まらなかったが。

中国の素材メーカーの社長は自ら高級茶を立ててくれた

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