欧州で貧乏人と思われた
1年半ぐらいオランダの地方都市に住んでいた。その都市はいわゆる学生街であり、街の人口の数10%を留学生が占めていた。私も長らく京都にいたが、学生街というのは独特の活気があり、街自体も学生たちの自由闊達な生き方を許容している所がある。仕事での移動がない時は、私は毎週末この街の風景を見に出かけていた。特に楽しいのはウインドウショッピングで、観光客向けのおみやげ物の店からおしゃれなカフェや小物の店など歩いていると飽きが来ない。ある時使っていた旅行バッグがいよいよ悪くなってきたので新たに旅行バッグを買おうかとバッグショップでカバンを見繕っていた。すると店の店員らしい中年の男の人が「こちらは大体300~400€(40000~50000円)ぐらいですよ。こちらは100~150€です」と説明してくれた。どうやら私が高いと思われるバッグばかりを見ていて決めかねており、もっと安いバッグがある場所を教えてくれたのかと思った。変な話だが、元々日本人は若く見られ、かつ私は同年代の中でも10~20才ぐらい若く見られる事があるが、その日はジーパンと明るい色のネルのシャツを着ていたので、ひょっとしたら私はその学生街に住む10万人以上いる留学生と間違われたのかと思った。そして学生は貧しい→貧しい学生ではとても400~500€のスーツケースを買うことはできない→もう少し安いものを紹介してあげなくては。という話になったのか?こういう推理をした瞬間私はカチンときてしまった。おもむろに400€の最新のサムソナイトのカバンとVISAのゴールドカードを出し、その定員に「これをくれ」と言った。

オランダで買ったサムソナイトmade in Europe