東京ドドンパ娘

 ある時なかやぶに「ダンシングオールナイト」で一世を風靡したもんたよしのりがやってきた。ところがその時は「ダンシングオールナイトのもんたよしのり」ではなく、「もんたのブルースバンド」というバンド名でやってきた。元々もんたよしのりはR&Bやブルースが根っこにあるミュージシャンだったようで、始めから「今日はブルースバンドで来ましたので、流行りの曲ではなくブルースバンドとして気の向くまま演奏します」という挨拶だった。そして何曲か演奏していくうちに、「昭和の名曲」を歌うということで東京ドドンパ娘を歌い始めた。ドドンパというのはダンスの一つの形で、少し引っ掛かりそうになりながら踏み出すステップに特徴があるダンスだった。またリズムも米国でロックンロールが流行る始めた頃によく聞いた「Blue berry hill」のベースラインに似た曲調の曲だった。もんたが「いやあ、昔の曲にもほんまにええ曲がありますわ」と言っていたが、私もその曲を聞いてすぐに好きになった。原曲は渡辺マリが歌っており、その少しハスキーな声に忘れられない味があった。またこの曲はさびの部分で転調があり、その転調部分がエキゾチックな感じを醸し出してもいた。この曲はその後会社の女性中心のバンドで何度か演奏した。勿論このバンドの売りは「歌って踊れる女性」であったので、すぐにドドンパのステップを覚えてもらい、手拍子と足拍子でドドンパを演じてもらった。特に夏祭りなどの老若男女が集まる場では最適な感じだった。歌詞では「ドドンパが私の胸に消すに消せない火をつけた」だが、私の胸にも昭和の火がついてしまったようだ。

ドドンパが私のエンターテイメントに火をつけた

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