大晦日/元旦の思い出2

 大晦日や元旦に会社へ来て現場で仕事をして翌年の生産量増大の願掛けをするという儀式を続けていたが、私より立場の上の人も似たような儀式をしておられた。社長は元旦の朝一番に本社へ出勤され、本社工場のメンバーに挨拶をされてから、他の3工場を順番に回られた。この情報は事前に各工場には伝わっており、社長のスケジュールに合わせて当該工場長や担当役員は待機するよう指示が出た。別段社長が正月から工場を回ったから特別何が変わるわけでもないが、やはりそこは日本人で「1年の計は元日にあり」という考えで、元日からびしっとした態度で物事に臨めばきっと良い1年になるのではというふうに思ってしまう。またこうした気持ちは地域住民の皆さまへも示される。社長が帰った後、各工場の工場長、渉外部長、環境管理部長などは地域の神社へおまいりして、地域の町内会長さんなどとご挨拶を行う。こうした日頃のお付き合いが例えば不祥事の類の問題が発生した場合にも一定の助けになることもある。また日本の工場はこんな感じの元旦を迎えるが、外国の工場でも私は似たような行動をしていた。私はマレーシア、オランダ、米国の3拠点に住んだが、どの工場でも元旦は工場に行ってオペレーターの皆さんに「Happy New Year」を言うようにした。この感覚はどの国も同じで、私に対して笑顔で返してくれたのを思い出す。この3か国は欧米文化の影響を強く受けており、クリスマスが終わって、1月2日までホワイトカラーの人は会社への出勤はしなかったようだが、私はここに日本流を持ち込んでブルーカラーメンバーに感謝の意を表した。

外国で働いても大晦日は私流だ

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