楽譜が読めると初見演奏は大違い

 私は初めてギターを弾いた時はクラシックギターから始めた。初級のクラシックギターの教則本で譜面を見ながら基本的なギター奏法というものを学んだ。そしてしばらくしてからフォークソングで「伴奏して歌う」音楽が好きになり、次にエレキギターに入り「リードギターもサイドギターも弾ける」ようになり、そしてジャズに入り即興演奏にはまっていった。ある時クラブでギターを弾く場をもらった。少し知っていたセミプロの人から京都の四条のスナックでギターを弾いてみないかと誘われた。バックで伴奏をしていたら良いと言われたのでたかをくくって行った。ところが「くちなしの花」という演歌を演奏する時になって、バンドマスターから「兄ちゃんイントロいけるか?」と言われ、思わず「できません」と言ってしまった。やはりプロというのはプロと呼ばれる実力を持っていて、初めて見た譜面で演奏ができる(これを初見と言う)のがプロであるということだった。私は確かにじっくり譜面を見て十分練習した後なら演奏はできたが、初めて渡された譜面を見て演奏をする、しかもイントロの単音弾きをするなど全く無理であった。すかさずその場はサックスの人が本来ギターが演奏すべきパートを吹いてくれて事なきを得た。またこの時代はカラオケというのが出る前で、多くの素人歌手は「生バンド」の演奏で歌を歌った。したがってキーが合わなければすぐに転調して欲しいというリクエストが来た。こんな急な転調にもプロと呼ばれる人たちは臨機応変に対応していた。(今なら転調ボタン一つで自由に変更できるが・・・)こうして数ヶ月だけ京都で「小さなプロ」を見られた。

初めての曲を楽譜を見て弾くのは私は無理だった

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