「誰々さんが言っているから」で決まる会議
会議と言うのは2種類のタイプのものがあると認識している。一つは大勢の人間を集めて周知徹底を図る会議で、これは事前に結論が決まっていて再度これをわかり易く説明して理解を深めてもらうものだ。参加者はこの結論を自分の部署に持って帰り、部下や上司に会議の結論についての顛末を説明することになる。これはある意味でわかりやすい会議である。しかし本来の会議は立場の異なる人が参加して、違う立場から問題に対してどうすべきかを議論し合うものであるはずだ。しかし実際の会議の大半はそんな建設的な議論など行われない。私の経験上の会議とは、まずある問題の主幹となる部署の代表者が問題に対して説明を行う。そして説明の最後に一応の部署としての意見なりざっとした結論を述べる。するとその発表を聞いていた主催者であるトップの人がそれについての意見を述べる。ほとんどの会議の場合、このトップの意見は極めて強く、この意見にしたがって結論が決まる場合がほとんどである。トップがその問題に対して精通していたり、深い知識を持っていて発言しているならこの流れも納得できるが、おうおうにして問題を十分理解できていないトップの意見に基づき決まった結論は色々な点で理解できない部分が多くなる。それで部署内では「何故こんな話になるのか?」という揉め事が起こる。しかし最後は説明者が「〇〇さんが言っていたから」と言うとまあ仕方ないかと矛を収めることになってしまう。本来なら会議中に誰かがその不明確な部分について議論を求めるべきだが、トップが先に結論を出すので言えなくなってしまう。会社を離れて見ると随分おかしな事をしていたと思う。

トップに決裁を委ねるつまらない会議