ベルパトロールはマレーシアで却下

 どの国の生産会社でも必ず掲げているスローガンに「安全第一」がある。安全は利益や品質や生産量や販売量といった会社のどの目標よりも上位にくる。どんなに会社の状況が良くても働く人がけがをしたり、事故にあって最悪の場合死に至るようなことが起これば、その会社は最低ランクの会社と位置付けられる。そんなことから、世界のどの製造会社も安全活動については厳しく実施している。この安全活動はただ「注意して仕事をしなさい」と言っても働く人々には届かない。ところが怪我をしてみて初めて、現場に潜んでいた怖さを知ることになるという特徴を持っている。それで会社は少しでも現場に潜む危険をなくす/見つけるためにあの手この手で活動を実施している。よくあるのは職場リーダーによるパトロールで、事故が起こりそうな箇所を見つけ出し改善する提案をするというものである。また人間は夢中で仕事をすると回りが見えなくなるという特性?があるので、危険を予知するような力を日常の訓練などで鍛えるようなことも実施してきた。しかしそうした訓練を継続しているにも関わらず、災害は依然続いていた。そこでマレーシアに日本でやっているベルパトロールというのを導入しようということになった。これは安全リーダーが現場に安全パトロールに行き、ベルで「しっかり安全を意識しているか?」を知らせる運動だった。ところがマレーシアの安全衛生委員会でこの案は却下された。ベルを鳴らすのはインド人のヒンズー教の宗教に関係したもので多勢のイスラム教メンバーにはなじまないというものだった。人種問題&宗教問題が壁になった。難しい。

ベルパトロールは宗教的に問題があり却下

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