北海道のユースホステルの思い出
私の学生時代は多くの人がユースホステルを利用していた。この利点は何といっても費用が安いということだ。国の補助もあり、食事も込みで普通のビジネスホテルの半額ぐらいだった。しかし欠点というか少し気になる点は、まず酒が飲めないという点だった。大体年齢層は20才前後で、ぼちぼち酒の味や雰囲気を覚え始めたメンバーが泊るので、場合によっては酒なしでは少し寂しい面もあるだろう。また完全に男女別々の部屋割りで、部屋は個室ではなく、皆一緒だった。若いメンバーはいびきをかかないので良いが、これが今ならうるさくて寝られなくなるだろうと思う。また夕食の後にはほとんどのユースでは自己紹介も兼ねてちょっとしたミーティングが行われた。恥ずかしがりの人はこれも気後れする面もあると思う。19から21才の頃北海道へよく一人旅したが、泊る場所はほとんどユースだった。私はその頃は人より少しギターを上手に弾けたので、ミーティングの際には皆の歌の伴奏をやったりした。その中で「北海道オリジナル」という曲をいくつか覚えた。一つは「旅の終わり」という演歌っぽい名前の曲で、北海道のような地の果てにやって来て色々な人に出会うが最後は別れで終わることになる、こんな悲しい旅なんかもう嫌だ、旅を終わろう、家に帰ろう、といった歌詞だった。もう一つは「かっこいい奴」という曲で、利尻島のユースで作曲された短い曲だ。「かっこいい奴が、汽車/船でやってきた、(ハイハイハイハイ)すがる女を振り切って、止める女を振り切って、かっこいい奴が飛行機でやってきた」という曲に振り付けがつき皆で踊りながら大声で歌ったのを思い出す。

ユースホステルで北海道発のオリジナル曲に出会った