自分の得手、不得手

 誰でも子供の頃は感性が強くて自分というものを過度に見つめる傾向が強いと思う。特に自信がある事と自信がない事は生まれてからの短い人生の中ですぐに自覚できるようになる。したがって行動を起こす際に、「これはあまり自信がないのでどうしたら良いだろう」と悩むし、「これなら前にやったことがあるので多分やれる」と思う。しかし会社へ入ったら自信があるものなんて限られており、大半は知らない事ばかりだ。入社して最初の頃は、「わからない事があれば先輩に聞きなさい」と学校で言われたようなルールに従い上司や先輩に聞くのだが、そのうち「子供じゃあるまいし、そんな事ぐらい自分で考えろ」と怒られるようになった。そしてその時点で初めて「自分の頭で考える」ことを始めるようになった。例えば関係する本や論文を見て類似したやり方がないか探すようになった。その道に長けた先輩がいれば、「教えて下さい」と言うのは気が引けるので「こういう問題があるんですが、私はこう思うのですがどうですかね?」などと回りくどい言い方で質問をしてヒントをもらうようにした。現在ならさらに進んだツールがたくさん存在しており、グーグル検索やYouTubeなどで多くのヒントを得ることができる。しかしそうは言っても一時を争う仕事をしていた当時、少しでも早く答えを見つけるためには、まずは「その問題に強い奴は誰か?」をよく把握しておいて、脇目もふらずそいつの所へ行って答えに関係するものを見つけ出すことが最も手っ取り早かった。そして私の一番の才能は「誰がその分野に長けているのか?」を日頃のコミュニケーションで早く、正確に見つけられることだった。

得手不得手を把握する

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