サンクスギビングデイの思い出

 米国に駐在してすぐに次女が嫁いだアメリカンファミリーを訪ねた。広い米国において偶然の奇跡とも言えるが、私のアパートから娘が住むアパートまでは車でわずか20分の位置にあり、旦那さんの親御さんも同じ市内に暮らしていて時々顔を合わせた。そんな中で11月の終わりに旦那さんのファミリーからサンクスギビングデイのパーティーの招待を受けた。幸いに米国では立場上色々な人との会合に参加しており、招待客と積極的に話しかける度胸もついていたので参加することにした。サンクスギビングデイというのは、感謝祭と訳されるが、イギリス人がアメリカ大陸に渡った頃、土地を開拓する中でその年の収穫に感謝してお祭りをしたというのが発端であるようだ。またその日だけは七面鳥を腹一杯食べて1年間の幸福に感謝したと言われており、その日はホストファミリーの親爺さんがターキーを焼いてくれた。また日本の正月と同様、「お決まりメニュー」というものがあり、マッシュポテトやパンプキンパイなどが出されて豪勢な夕食を楽しむことができた。その翌年私は旅先で感謝祭を迎えた。その時はすでに日本への帰任が決まっており、最後のアメリカでの自動車旅行を楽しんでいる最中だった。ペンシルベニア大学の本拠地ノックスビルという綺麗な学生街で夕食を食べようと街を歩いていたが、どの店も開いていないことでその日が感謝祭であることを知った。しかしホテルには感謝祭向けの夕食がわずか25$で用意されていた。中味は前年にアメリカの家族と食べたものとよく似ていた。

サンクスギビングデイにお決まりの七面鳥

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