ブルースハウスブルースバンド

 1980年代の京都ではウエストロードブルースバンドというバンドが最も有名だった。しかし私自身は同時期に拾得というライブハウスで毎月曜日に「1コインライブ」と銘打って500円で聞ける演奏をしていたブレイクダウンというバンドの方がより親しみが湧いたし、ある面ではウエストロードブルースバンドより素晴らしかったのではないかと思ってしまう。このバンドが素晴らしい理由は2つある。一つはこのバンドにその後メジャーデビューも果たす近藤房之助がいたことだ。彼はレコード会社の陰謀で一時期「ちびまる子ちゃん」の主題歌を作るなど芸能路線に傾いたが、うまくこのメジャーデビューを生かして大人の音楽の領域を確立していった。1980年代後半に聞いた彼の初期の歌声は聴衆を一気にしびれさす力を持っていた。もう一つの理由はこのバンドの大半のメンバーが「ブルースハウスブルースバンド」のメンバーであったことだ。このバンドは活動歴が大変短い幻のバンドだが、私のわずかな記憶から言えば、このバンドが日本の草分け的ブルースバンドのNo.1だったと思う。特にこのバンドには西村何某というリードボーカルがいてこの人がすごかった。西村はニックネームで入道と呼ばれていた。実際頭はスキンヘッドで声はしゃがれてかつ野太い黒人の歌手のような迫力ある雰囲気を持っていた。また彼の英語の発音は抜群で、サングラスをかけて歌うと本当に黒人が歌っているのではないかと錯覚してしまう。これに服部何某というあばれギタリストがいたが、この人が後のブレイクダウンの発起人となった。

幻のBlues House Blues Band

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA