定年して思う「会社ごっこ」
会社勤めをしている頃同僚の人から興味深い話を吐露された。「〇〇さん会社は楽しいですか?」と私が聞くと、彼は「そういう質問が来るならじゃあ私の昔からの心境をお話しします」と前置きをして彼は以下のような話をしてくれた。彼のポジションは従業員の労務・福利厚生などを扱う仕事だったが、会社に入って最初の仕事は、リクリエーションとして行われる野球大会の審判だっだ。何故大学を出て法律を学んだ自分がそんな事を仕事としてやらなければいけないのかと思ったそうだ。その後自分でなくてもできるようなつまらない仕事を色々与えられたが、それでも妻子を養うために会社を辞められず悶々とした日々を過ごしたそうだ。そのうちにこんなに良心の呵責のような気持が芽生えたり自分や会社に腹を立ててしまうのは、仕事というものを真剣に考えすぎたり真面目に仕事に向かい合えないことが罪悪のように感じているからだと思い、少し仕事というものを別の角度から考えてみるようになったという。それは自分が「仕事をしている」のではなく会社を通じて「会社員ごっこ」をしているのだと思う事だった。確かに自分の仕事を「会社員ごっこ」ととらえると。罪悪感や多少の遊びや手抜きも許されるような気がする。客先や利害関係者との接待などは面白いものではなかったが、「会社員ごっこ」をしているのだからあまり責任感を感じず、楽しんで酒を飲みカラオケを歌えば良いじゃないか?という発想にもなれるのだろう。そして私自身今退職をして気軽に回りを見渡してみると、改めて自分の会社員時代は「会社員ごっこ」をしていたのかもしれないと思う。

本当は「サラリーマンごっこ」をしていたのかもしれない