音楽を聴くデバイスの変化

 子供の頃に音楽を聴いた時と比べて、音楽の音源は随分変化した。私が音楽を一生懸命に聞いた時代のメインの音源はレコードだった。新品のレコードを買ってきて、レコード針をレコード盤に落とす時のどきどきする気持ちを今も覚えている。針を落とす瞬間にするバチっという音が何とも言えなかった。また音源がアナログからデジタルに変わっても、レコードが持つ独特の臨場感を持った音は、JBLなどの大型のスピーカーで再現されるとデジタルを越えているような気がした。実際に今でも多くのジャズ喫茶ではレコードの数の方が多いとの事。しかし今レコードを買えるのは中古専門店だけになってしまい、今や音源の中心はCDなどデジタル音源に変わってしまっている。私はこのアナログからデジタルに移る最後の時代を生きてきた。録音はオープンリール~カセットテープへ変わる時期だった。プロの演奏をコピーするのも、テープを何度も何度も止めては動かして行った。しかしこのテープは物理的に劣化するという欠点を持っており、途中で伸びたり切れたりしてしまった。今思えば子供の頃の若々しい演奏をデジタルに変えておけば良かったと思ってしまう。またデジタル録音媒体自体もさらなる変化を遂げていった。カセットテープはCDに代わり、CDはMDに代わり、そして近年はUSBやiPODに代表されるデジタル媒体が中心を占めるようになっている。それでも昔のバンドメンバーの家を訪れると、相変わらず大型スピーカー&高級アンプを装着したオーディオシステムをこれ見よがしに飾ってある。やはり彼らもアナログ媒体に昔の青春の思い出をたくさん残しているのだろう。

最初の録音はオープンリールテープデッキ

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