競争社会は子供の頃から
小学校の3年生ぐらいまで全く競争社会というものを意識しなかった。何も考えず毎日をのほほんと暮らしていた。ところが小学校の4年生の夏に母親がこの成績ではだめだと急に猛特訓を開始した。急に朝から晩まで母親に勉強を教えられた。楽しくはなかったが、元々一定の理解力があったのだろう。毎日覚えては忘れるの連続ではあったが、少しずつ学校の勉強がわかるようになっていった。また当時私は「鼻たけ」という病気を患っていた。これは鼻のなかに一種のうみの袋のようなものができていて、うまく呼吸ができずにいた。人の話を聞いても満足に理解が出来なかった。この病気がそれまでの私の「アホ」を助長していることに気がつき、私はこの「鼻たけ除去」の大手術を受けた。結果私の鼻から7~8ケの「鼻たけ」が除去され、私の理解力は急速に上がっていった。小学校後半では進学校に合格させることで有名な塾にも合格した。そこで私は初めて競争社会というものが存在することを知った。皆が順位向上に血道を上げ、偏差値を競い合うようになった。私も回りの期待を背にして競争社会にどっぷり浸かるようになった。そしてついには京都でトップクラスの中高進学校に合格していく。そして中高一貫の進学校ではクラス内はお互いが競争相手でもあった。そして世間で優秀と言われる大学に合格して次はサラリーマンとしての競争に入っていく。こうして気がついてみると、小学校4年生、約10才から60才ぐらいまでの50年間競争社会にいたことになる。今ようやく誰と競争することもなく自分の為の人生を送れるようになった。

約50年競争社会を生きてきた