今から外国で暮らすのは大変

 色々な方から老後を海外で生活するという選択はなかったのかと聞かれる。確かに東南アジア~欧州~米国と暮らしてきて、海外で暮らすとはどういうものかについては、全くそういう経験のない人と比べれば私は多少知識があると思う。しかし今もし海外に住むのは正直なところ気が引けてしまう。理由はいくつもあるが、まず当時より年をとったということだ。考えてみれば私が海外に在住していたのは10年ぐらい前のことで大昔ではない。しかしその時は会社員としてバリバリ働いていた時であり、あらゆる苦労と向き合ってもそれを乗り越えてなにくそとやっていくだけのガッツがあった。しかし日本に戻り子会社で楽な仕事をして、そして退職してさらに気楽な生活を続けている今はそうした苦難に立ち向かっていくガッツは明らかに落ちていると言わざるを得ない。むしろできれば無理せず、他人に気を使わず、揉め事を少なくして暮らしていきたいというのが本音である。あらためて外国の役所で自分が生活をするために必要なインフラを一つずつ確立するための努力は面倒だと思う。英語をしゃべるのはそれほど苦にならないが、海外で身にふりかかる種々の事件を前にして、一つ一つ処理していくのは今や煩わしいと感じてしまう。そういう事を考えると、あの時はよくぞ何でも平気でやれたと思うし、日本からわざわざ苦労を背負いに行くのももうやりたくないとも思う。昨年末に米国で暮らす次女が帰ってきて種々の苦労話をしてくれた。本当にエールを送りたいし、もし私が外国へ行くなら旅行までにしておこうと思う。美しい景色を楽しむまでで十分だと思う。

今はもう苦労を買ってまで海外移住したいとは思わない

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