案外多い白人と黒人のカップル

 欧州でも米国でも肌の色の違うカップルをよく目にした。特に目立ったのは黒人と白人のカップルだ。私が最初に米国に旅行した1980年代は明らかに人種差別があったし、私自身も黄色人種として差別を受けた経験があった。白人しかいない店や黒人しかいない店が普通にあった。しかし2010年代に旅してまた住んだ欧米社会では人種差別は随分緩和されたと思う。公園なんかで黒人と白人のカップルがデートしていたり、混血の子供を乳母車に乗せて引いていたりする光景を普通に見た。それでもまだまだ全体としては特殊な話と思っていたが、私が働く米国の会社の準取締役クラスの白人男性が黒人の女性と付き合っているのを見て驚いた。ちょうど私が米国に赴任してすぐにこの白人男性は日本人メンバーをアメリカンフットボールの試合に招待してくれた。そして彼は自分たちのファミリーや会社の同僚たちも連れて会場へやってきた。最初に紹介されたのは彼の息子さんで明らかに白人系の顔をしていた。そのうちよく見ると数人の黒人女性たちもその集いに参加しており、会社から来たメンバーと仲良く会話していた。私もどういう人なのか紹介されぬままに彼女らとビールを飲みながらアメリカンフットボールの試合を楽しんだ。しばらくしてその黒人の女性の一人が会社の取締役の彼のパートナーらしいということがわかった。彼の息子も別段彼女を特別視しているふうもなく普通に話をしていた。依然として米国では黒人差別は無くなっていないが、それでも少しずつ人々の生活の中で白人と有色人種が付き合うような時代になっているんだと少し嬉しい気がした。

珍しくなくなった白人と有色人種のカップル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA