白人の作った綺麗な街
米国では3工場が点在する南部の州の中心となる都市に住んだ。この都市のどこに住居を持つかについては色々議論した。私は当初から自分のオフィスと本社のある工場に近い場所が最も便利だと考えてそこにアパートを借りた。他の駐在員については家族を帯同する関係で学校の便が良い所にアパートを借りた人もいた。米国に渡る前私は欧州にいたが、英国工場のトップが米国から来ており、彼も以前その米国の都市に住んでいたとのことで、参考意見として推奨すべき場所について彼の意見を聞いてみた。彼の意見は予想もしないものだった。彼は数ヶ所の地名を挙げ、こういう場所は気をつけた方が良いと助言してくれた。南部のその都市にはいくつか白人が支配している街があるのだそうだ。そういう街の特徴は街並みが非常に美しくまたほとんど黒人や有色人種(黄色人種やヒスパニック系など)がいないということだ。こういう街は白人が街の秩序を乱す?有色人種を追い出して、非常に美しく整然とした街並みをつくり上げているということだった。そういう街で食事をする場合は事前に街をドライブして問題ないかを確認した方が良いし、ましてや住むという場合は米国人に状況をよく聞いてから決めた方が良いとのことだった。一般的に人種問題で悩まされるのは黒人街やヒスパニック街や一部のアジア人街のことだと想像していたが、むしろ怖いのはそうした有色人種を強く差別する白人たちが住む地域だということを初めて知ることになった。そういえば減少したとは言え、昔から白人至上主義を挙げて争いを続けてきたKKK団のような組織が未だに全米に存在している。

米国には白人がつくり上げた美しい景色の街がある