マレーシアとトルコのイスラム教
マレーシアに赴任した時にまず異文化という面で日本人が悩んだのがイスラム教だった。日本で知られているイスラム教は、1年に1回断食の風習があるとか、「目には目を、歯には歯を」といった同じ事で復讐をする文化があるとかいったある面得体の知れない宗教だった。さらには一日に5回も礼拝を行うために、仕事の合間も抜け出すことやさらには毎週金曜日の午後から「特別礼拝」に行く義務もあったことに対して他民族から労働時間格差があるのではといった不平不満も出ていた。一方ラマダン(断食)については昼間水さえ飲めないのに、暑い時期(マレーシアは常夏)もきつい作業をせざるを得ないという過酷な部分も見られた。そんなマレーシアのモスリム(イスラム教を信心しているメンバー)から面白い話を聞いた。それはマレーシアにトルコ人が来訪した時のことだった。同じイスラム教の国ということで本来「酒は飲まない」「豚肉は食わない」「断食を行う」ということだが、トルコ人は実際酒を飲むのを日本にいた時から私は知っていた。さすがに豚肉は食べないと思っていたが、トルコ人のあるメンバーは「私は豚肉の味が好きでないので、あまり食べないだけだ」と言っていたし、断食についても熱心な人は行うし、熱心でない人は行わないという強制ではないもののような説明だった。マレーシア人は基本的に厳しいモスリムだが、彼らに言わせるとトルコ人は「No.10モスリム」だそうだ。そういえばトルコを代表するアヤソフィア寺院は元々キリスト教の寺院でその後内部をイスラム教装飾に変えられたようだ。少しキリスト教文化が混ざってるの?

イスタンブールのアヤソフィア大聖堂はイスラム教とキリスト教が混在した建築