オランダぶらぶら2:ブールタング

 明治維新を語る際に、新選組の壮絶な最後を話題にする人も多い。新選組は江戸幕府から依頼され、尊王攘夷を掲げる薩摩・長州・土佐藩と戦った志士たちだが、この戦いは戊辰戦争と呼ばれ約2年にわたり日本全国で繰り広げられた。最初の鳥羽・伏見の戦いを皮切りに甲州勝沼、上野、会津若松、函館と戦いは続き、最後は函館の五稜郭で土方歳三が討ち死にすることで終わる。そしてこの五稜郭というのは不思議な形をしており、城壁を星形の5角形に作られている。私も学生時代に函館でこの建物を見学した。(今はあまり観光する人は少ないと思うが、私の学生時代はまだ青函連絡船が青森―函館間で運行されていた)ところがこんな変わった風景をオランダの片田舎で見た。この場所はブールタングと言い、街自体が星形の城壁で囲われていた。この街はほぼドイツとの境界近くにあり、オランダから一旦ドイツに入り、高速道路で少し入ってからまたオランダ側に戻る。このドイツの高速道路はいわゆるアウトバーンで速度は無制限である。私も話の種にと1600㏄の社有車ベンツで180Km/Hrを出してみた。ところがその車の後ろから矢のようなスピードで走るBMWが私の車を抜いていったのを見て、これがアウトバーンかと感動した。このブールタングは日本の五稜郭と同様戦争用に作られたもののようだ。1670年頃オランダの独立をかけて、オランダはドイツやスペインと戦っていたが、ドイツとの国境に位置するこのブールタングは重要な戦闘拠点として活用されていたとのことだった。1850年以降はその役目を終え、閑散とした農村のみが残っている。

オランダの五稜郭?ブールタング

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