私の楽器2:Gibson Les Paul Standard

 プロが使う楽器を自分の物にしたいという夢を学生時代から持っていた。大学生になってジャズにはまるようになってフルアコースティックのギターを買ったが、もう一つ買いたいギターがあった。それはギブソン社のレスポールというギターだった。このギターを使ってサンタナは延々と続く長い音を出した。またゲーリー・ムーアというギタリストはこのレスポールの出す太い音と鳴きが入るチョーキング音を巧みに使い分け数々の有名曲を生み出していた。当時ギブソンとフェンダーという2大人気ギターブランドがあったが、フェンダー社は日本でギター製造を始め安くなったが、米国製のみのギブソンのギターは依然高値の華だった。新品のレスポールは30万円以下では手に入らなかった。ところが突然このレスポールを買う機会が訪れた。35才ぐらいになった頃、子供も大きくなり狭いアパート住まいが難しくなり、ついには家の購入をしないといけなくなった。ちょうどバブルの終わり頃で随分高い時期に住宅を買ってしまったが、当時の金額で総費用は4000万円を越えた。勿論大半はローンであり、また親の援助も随分受けたが、それでも自前でかなりのお金をかき集めてようやく自宅を購入することができた。そしてすべての費用を払い終えてから気がつくと、手元に50万円ぐらいのお金が残っていた。天から啓示が降りてきたかのように私はその金を持って近所の楽器屋に走り、店主に前から目を付けていたギブソンレスポールを弾かせてくれと言った。レスポールは私の指にからみつき私から離れようとしなかった。一円の値引きもなく即金で私はケース付38万円のレスポールを購入した。

家の購入と同時に勢いで買ったギブソンレスポール

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