憧れのアコースティックサウンド1
中学生の時に初めてフォークギターというスチール弦を張ったギターを買ってもらい夢中になって練習をした。元々フォークギターを買った理由は、ギターを弾けると女の子にもてて一緒に歌を歌えるという在りもしない夢を描いていたからだ。そしてまずは女の子と一緒に歌うためには伴奏ができないといけないと考えギターコードを覚えた。そして歌に合わせてジャンジャンとコードを鳴せば伴奏ができることも理解した。さらに伴奏のレベルアップを図るべく、アルペジオとかスリーフィンガーピッキングとかいった奏法も覚えた。これらの伴奏奏法を一応身につけると一気に次のハードルが高くなった。普通にギターコードに指を合わせてフィンガーピッキングをするだけでない新しい世界が私にやってきた。それは私では予想もできない不思議な指使いでメロディーと伴奏を組み合わせたような弾き方だった。こんなことはできなくても良いとも思ったが、いわゆるかっこいいギターリストはギター1本で歌を歌い、伴奏をし、そして間奏を演奏していた。この間奏が弾けると一気にレベルアップができ、きっと友達や将来できるはずのガールフレンドから「ギターが上手だね」と言われるに違いないと思ったからだ。そしてまず私が憧れ真似をしようとした米国人のフォークバンドは「サイモンとガーファンクル」というバンドだった。彼らは素晴らしいギターテクニックだけではなく、天使のハーモニーとも言えるハモリを使って曲の幅を何倍にも広げていた。特に彼らの代表曲である由紀さおりの曲に似た「Sound of Silence」のイントロから曲への入り方にはしびれた。

すごいギターテクニックとハーモニーを聞かせたサイモン&ガーファンクル