憧れのアコースティックサウンド3
高校のある時期からブルースというジャンルを知るようになり、より深いアコースティックギター奏法を学ぶようになった。その一つに「ボトルネック奏法」というものがある。ビールビンのネック部分を途中からカットして、そのビンの表面をギター弦に押し当ててスライドさせるという奏法である。スライドすることでぴよーんという伸びた音が出るが、あれがいわゆるボトルネックサウンドである。そして最初にそれを実際に見たのは憂歌団という大阪のブルースバンドの演奏で、ギタリストが本当にガラス瓶の一部をカットしたものを使って演奏していた。そして楽器屋さんでそれに近いものを探すと、ガラス瓶ではなかったがステンレスの筒をボトルネックに見立てて作られた「ボトルネックもどきステンレス筒」があることも知った。そしてさらに勉強していくと、この奏法で一躍一世を風靡したギタリストにライクーダーという人がいることも知った。彼は私より10才ぐらい上の米国のミュージシャンで、アメリカのルーツになるようなブルースやロックンロールなどの音楽を中心にボトルネック奏法を使って種々のバンドに参加している。またボトルネックと言えばおなじみとなる「オープンGチューニング」の生みの親でもある。ギターは通常何も押さえないと和音が構成されないが、オープンGの場合は何も押さえずに弾くとGのコードになる。そしてボトルネックを使ってスライドするだけで和音を上下できるという世界をつくり上げた。画期的な奏法だった。

ライ・クーダーのボトルネック奏法を繰り返し学んだ