労働時間推移
昔の企業の時間外労働管理というのは今では考えられないぐらい杜撰だった。新入社員で入社して上司から残業についての説明を受けた。残業や休日出勤するのは上司から指令を受けた場合だと聞いた。しかししばらくすると実態は全く違い、残業を多くつける人もいればあまりつけない人もいた。一体どこまで申請して良いのかも明確でなかった。また残業中は本当に一心不乱に仕事をしている人もいるが、大体はおしゃべりしている時間が長く、どこまでが残業なのかもよくわからなかった。休日出勤にいたっては特に休日に出勤しないといけないようには見えない人が出勤していた。そんな実態がわかってから私は意味のない残業報告をつけるのが嫌になり、毎月残業は何時間、休日出勤は何時間と決めて報告するようになった。実態はもっと多かったが。その後「サービス残業」的な話が世間で問題視されるようになり、なあなあの残業報告は修正されていった。しかしこれが管理職になると一切報告は不要となる。管理職は「仕事内容に対して報酬が払われる」のでそれに何時間かかるかは個人の問題となる。そして私も主任~課長~部長~事業部長と立場が変わりどんどん負荷は上がっていった。そしてついに1年間365日のうちに完全に休むのは数日というところまで行った。このままでは過労死するかもしれないと、その日から5年ほど私はパソコンにこっそり「年間休暇日数」をつけることにした。万一自分が過労で倒れた時に家族が会社に対して文句が言える証拠を残しておこうと思ったからだ。しかしそうこうするうちに国内を離れ欧米で働くようになってこの負荷から解放された。

立場が上になるに従いどんどん休めなくなっていった