何時間でもギターが弾けた子供の頃
どんな趣味でも始めた頃は非常に熱中するものだ。私のギターもそうだった。中学生の時に母親が弾いていたクラシックギターを弾き始めた。初めはどのように練習したら良いかわからず、まずはドレミファソラシドを覚えてそれからクラシックの練習曲を弾き始めた。ある程度弾けるようになると、次はエレキギターでプロが弾いているフレーズを真似たくなった。ところがプロが弾く速弾きの演奏はどても真似ができずに苦労した。まずはカセットテープにプロの演奏を録音して何度も同じ箇所を止めては動かして聞いた。それを実際に弾いてみるが、何となくスムーズに指が動かない。どうやら使う弦がちがうのかもしれないと違うポジションから弾いてみるとスムーズに指が進んだ。また何度聞いてもフレーズがうまく聞き取れない時もあった。何度も聞くうちにスタッカートの入れ方が間違っている事に気がついた。それを直すと本物らしいフレーズになった。ある時はジャズのフレーズのコピーをしていたが、どうしてもうまくフレーズが聞き取れずその日は諦めた。ところが翌日になって何とはなしにそのフレーズが口から出てきた。忘れないうちにとすぐにギターを持って運指をしっかりと記憶に留めた。このようにギターを始めた頃は何もかもが大変新鮮で新しい事に次々と飛びついた。そしてたしか昼飯を食ってから練習を始めたものが、気がつくとあたりはすっかり暗くなっていた。時計を見ると夕方の5時半になっていた。何と4~5時間ギターに夢中になって時が経つのを忘れていた事になる。今はとてもそこまではないが子供の頃は信じられないような情熱があった。

昔は何時間でもギターを弾いていたのに・・・