24時間戦えますか?のコマーシャル
私が入社した頃は皆が残業するのは当たり前、休日出勤するのは当たり前の時代だった。表向きは「無駄な残業はやめよう」とか「多量の時間外労働は過労死の元になる」などと言い残業を減らす指導もあったが、一方では上司はほぼ確実に時間外労働を行っていて、あたかも時間外を行うことは会社への高い貢献の表れであるかのような風潮もあった。また欧米と比べて日本の労働時間が多いことが労働組合などから指摘されていたが、組合員は残業代で苦しい生活の補填をしていた部分もあったので、ある面この労働組合の主張を冷ややかに眺めているところもあった。さらにバブル期は日本の経営成績は世界でも最高峰の結果を出していた。電化製品においてMade in Japanという言葉が一流品を意味していたのもこの頃だった。そしてそんな頃テレビで驚くべきコマーシャルが放映された。それはリゲインという疲労回復剤のコマーシャルだった。「黄色と黒は勇気の印、24時間戦えますか?リゲイン、リゲイン僕らのリゲイン」という歌だった。確か元気の良い若手俳優がリゲインという疲労回復剤を飲んで、24時間働きづめに働くというコマーシャルだった。当時日本は欧米に比べ圧倒的に長時間の時間外労働を行っていたが、長時間が日本の高品質商品を支えていたと皆が思っていたほどだ。当時の会社の運動会の際に、私はこのコマーシャルをもじって、「24時間XXXできますか?」という仕事の応援歌?を皆で歌ったが、今思えば何とも言えない昔の労働風景であったと思う。最近の状況をOB会で質問したら、現役のメンバーからは「もはや無駄に土日出勤する人などいない」との事だった。

当時は滋養強壮剤を飲んで24時間働くのが美徳だった