今でもたまに酒を飲む会社時代の友人
会社を離れてからは努めて現役の人との接触は避けるようにしたし、また退職した人でも会社員時代に一緒に仕事をしていた人ともあまり付き合いはしなかった。勿論会えば昔の懐かしい話で盛り上がるのはわかっていたが、私の中にできれば昔を振り返らず未来に向かって新たな生き方を模索したいと思ったからだ。そうした中で不思議に一人だけ酒を飲む友人がいる。彼は不思議な出会いから私と仕事の苦楽を共にした人だった。元々入社時は私とその人は別の職場で働いていた。ところがある時その人の仕事がなくなってしまった。彼は当時中国で仕事をしていたが、中国事業が閉鎖となり一旦日本へ帰った後、まだ事業を続けているマレーシアの応援をしていた。いずれその事業部はすべての地区で事業閉鎖が決まっており、すこしずつ人員を他事業部へ出しながら事業縮小を図っている最中だった。ちょうどその頃私の担当する事業は幸いな事に事業拡大を開始したばかりで、しかもマレーシアを中心に規模拡大を進める予定になっていた。何かの情報から、国内~中国を歴任して国際経験もあり、外国人とのコミュニケーションもできる技術者がマレーシアにいると聞いたので、マレーシア出張時に彼と面談した。ちょうどきつい仕事の後のようで全身に大汗をかいたまま彼は私のところへ来た。見た瞬間に私は飾らない彼を好きになり、スカウトすることにした。それ以来彼とは結果が良い時悪い時色々あったが、会社時代も会社を離れても付き合いが続いている。飾らず種々の場面で気転を効かせて私を助けてくれたという思い出を持って毎回酒の席を楽しんでいる。

会社時代の思い出を抜きにして酒を飲める友人は素晴らしい