嫁いだ娘から聞いた米国事情1

 久しぶりに日本へ帰ってきた娘と話をした。すでに結婚してから5年以上を経て、米国にも馴染んだ娘に聞きたいことがあった。それは「米国で働くとは?」という点だった。私自身も勿論わずかだが米国で働いていた。しかし実態は駐在員として腰掛?で働いていただけで真に米国人の中に入って働いていたわけでない。娘は最初の1年は車の運転もできず、米国人の夫の急な病気でほとんど家に引きこもっていたが、その後ペットショップでのアルバイトを経て、地元の物流倉庫会社にブルーカラー職で時間給労働(Hourly worker)の正社員として就職した。そして倉庫で時々はフォークリフトの運転手も兼ねる文字通りの米国労働者の一員になっている。そうした中で一番私が聞きたかったのは「日本人としてのアイデンティティー」をどのように感じているかという点だった。しかし私は日系の会社の駐在員として働いていたが、彼女は米国人の妻として家計を支えるために働いており、決して私のように「日の丸を背負って」働いているわけではない。ただ日本人は全般に「仕事は真面目にちゃんと行うもの」という道徳的概念を共有しているが、そうした道徳観は米国でも彼女の労働スタイルに大きく影響している。次々と採用されては辞めていく仲間たちの中には、「遅刻をしない」「言われたことを確実に実行する」「上司に逆らわない」と言ったことができない人たちが多くいるそうだ。そういう中でアジア人は勤勉に働くと思われているようだ。実際に契約更新時に彼女は少ないながら着実に時間給を上げてもらっているが、「仲間からの信頼」が彼女のセールスポイントだそうだ。

娘は「勤勉が取り柄」で米国で職場の信頼を得ているらしい

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