嫁いだ娘から聞いた米国事情4
米国で働く中で、いかにも米国らしいというエピソードについて。まず私の経験から紹介しよう。私は米国の3つの工場がある会社の統括をしていたが、3つの工場ともにHurricane Shelterというものがあった。これはメキシコ湾から発生する大型のハリケーンが場合によっては工場を直撃する場合があり、その場合従業員が逃げ込めるように地下にシェルターが準備されていた。日本の工場では台風に対する避難用シェルターのようなものは存在しないし、実際私は1990年に台風の直撃による水害を工場で経験したこともあるが・・。次に娘から。驚くような話を3つ聞いた。一つは従業員を集めた小会議か何かで、緊急時の避難体制について「もし近隣で銃撃戦が始まったら」という訓練があるそうだ。めったに起こるものではないと思うが、アメリカならゼロではない話。もう一つは「仕事中にドラッグテストを抜き打ちで行う」という話があったそうだ。日本ではラリって職場に働きに来る人などいないが、米国ではまれにそういう人がいるらしく事前に注意を喚起しておくという事らしい。3つ目は日本でも最近法案が成立したLGBT問題だが、以前勤めていたペットショップでは「自身を男性として扱って欲しい」という戸籍上女性の社員がいたそうだが、扱いには随分苦労したとの事。30人ぐらいいた職場の中で、LGBTである社員が1~2名いたとのことなので、少なくとも米国社会の中でLGBTが大きな問題になっているのも頷けた。どれもアメリカの深い悩みに分類されるような話だが、それもこれも含めて「異国で暮らす」ことの難しさがある。

米国では職場にLGBTを尊重するルール作りがされている