地域別海外駐在員と宴席状況
私が勤めていた会社は海外の色々な地域に子会社を持っていた。私の担当するビジネスはマレーシアと欧米の3箇所だったが、主力製品のビジネスユニットは主として韓国、台湾そして中国に多くの拠点を持っていた。そして駐在員同士で話をしたり、各国を回ったことのある人から話を聞くと同じ駐在員でもがんばる部分が違うと思った。それは宴席の在り様だった。勿論私は日本である程度酒を伴う宴席を経験している。そして酒席を通じて仲良くなりビジネスがスムーズに進むことがある事を知っていた。しかし私は日本の次にマレーシアへ駐在した。マレーシアはイスラム教徒が全体の60%おり、酒の席でどんちゃん騒ぎするなどという文化は全くない。また欧米は皆アルコールを飲むが、夜の席で酒を飲んでビジネスを円滑に進めようなどという考えはなく、日中のビジネスはビジネス、夜の宴席は宴席と完全に区別しているように感じた。そういう意味では大変健康に暮らすことができた。一方他のビジネスユニットの駐在員が暮らす東アジアは全く異なる世界が存在する。まず宴席自身が重要なビジネスツールと考えられていた。宴席でうまくビジネスを進めるために宴席独特の業が存在する。韓国ではちょっとしたお遊びで「爆弾」と呼ばれるウイスキーをビールで割った飲み物を飲みあう。中国では有名な白酒を「乾杯」する文化もある。そして酒に強い=ビジネスに勝つみたいな所がある。優秀で酒に強い駐在員は現地の人から「兄貴」といった愛称で呼ばれ、客先とも円滑な人間関係を確立することができるらしい。ただし内臓を犠牲にして半分アル中になりながら・・・

中国のビジネス宴席でお馴染みの白酒(パイチュウ)