好きなスローバラード3「いそしぎテーマ」
学生時代にスローバラードスタイルで演奏した曲に「いそしぎのテーマ」がある。多分元々はテナーサックスか何かの管楽器がテーマを吹くのが合っている曲だと思うが、たまたま私はバーニー・ケッセルという人がギター演奏をしているのを聞いて好きになってしまった。ソロで演奏するということで、コード弾きでテーマを構成することを考えたが、どうもうまくコードが合わない部分があったことを記憶していたが、最近その理由がわかった。この曲の中に、「マイナーセブンスフラットファイブ」(m7♭5のような記号で書く)というコードが入っていた。当時から今に至るまで私はこのようなやけに長いコードは手を抜いて「マイナーセブンス」(m7)で演奏していた。当時から何となく合わないと感じていたが、まあ少々合わなくても誤魔化していこうぐらいに考えていた。しかし最近読んだ音楽雑誌によれば、ジャズには超重要コードが5種類あって、曲の90%はこの5種類を弾けばうまくいくとのことだった。5種類に分かれていたものの中に、m7とm7♭5は別々のコードとして取り上げられていた。つまり全く違うコードとして認識すべきコードだったということだ。そしてそういう意味で何となく合点がいったのは、枯葉の中に入っているAm7♭5というコードを私はずっとAm7で弾いていたことだ。少し合わないが難しいコードを覚えるのは面倒ということで避けていたのがここにきて大反省となってしまった。なおこの「いそしぎ」のテーマの正式名はThe shadow of your smileという曲で、エリザベス・テーラー主演のアメリカ映画だそうである。

出だしのコードm7♭5がおいしい「いそしぎのテーマ」